フランスで人気の職業⑧:「医師(一般医)」の仕事とは?専門医との違いも解説!

ladepeche紙調査による「人気の職業ランキング」で8位に輝いた「医師(一般医)」。フランスの一般医制度は、日本にはない独特のシステムです。

専門医との仕事内容の違いを含め、なり方や収入などについてご説明します。

一般医は頼れる「町のお医者さん」

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フランスの医師は、「一般医(médecin généraliste、MG)」と「専門医」に分かれます。

フランスでは、2004年からかかりつけ医制度が導入され、患者は任意の一般医をかかりつけ医として選択し、病気や怪我に関する初診を受けるよう定められました。

一般医は地域ごとに当直制で勤務しており、患者の症状に応じて、適切な専門医へ紹介する役割を果たします。

医師と患者が長期間に渡って付き合うことで、過去の病歴等の把握がしやすく、総合的判断にもとづく的確な判断ができるというメリットがあります。

フランスで一般医になるには?

ここからは、一般医になるまでの道のりを見ていきましょう。

約9年間の養成期間を経て、一人前の一般医に

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一般医になるためには、日本と同様、大学の医学部に進学します。そのため、バカロレアでも医学部進学に必要な科目を選択・受験する必要があります。

無事医学部に進学できたら、いよいよ医師としての養成過程の始まりです。

第一過程は大学の1・2年目にあたり、1年目で人文社会系の教養科目と基礎医学を、2年目では解剖学や生理学、組織学等を学びます。

第二過程は大学3〜6年目にあたり、3年目に症候学や薬理学、細菌学などを学びます。4年目から6年目には、病院実習が行われます。

第二過程を修了すると、専門分野を決定するための試験・ECN (全国順位付試験)を受けます。この試験の成績上位者から順に、臨床研修地や専門分野の希望が優先されるため、非常に重要な試験です。

専門医を希望する学生は、上位半分に入る程度の成績を取る必要がありますが、一般医志望の場合は特に制限はありません。

2004年から、一般医も臨床研修が必須に

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第三過程では、病院での臨床研修が行われます。以前は、一般医志望の医学生は臨床研修が免除されていましたが、2004年のかかりつけ医制度導入に伴い、一般医の養成過程にも臨床研修が含まれるようになりました。

一般医の臨床研修は3年で、研修を修了し、国家博士論文を提出・通過することで、医師免許が授与されます。免許取得後はすぐに一般医として働くことができ、所定の地域に配属されます。

一般医の年収は700万円程度。シフト制のタフな勤務体制

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フランスの一般医の平均年収は、およそ700万円とされています。月収にすると約58万円で、ランキング上位に入った他の職業と比較しても高い水準です。

一般医の収入は国によって定められた医療保険の料率にもとづくため、大きく上下することはありません。一般医が行うのは診療のみで、薬の処方や検査は完全分業されており、院内処方や検査に伴う報酬の上乗せもありません。

高収入ではあるものの、シフト制の勤務体制で夜勤の必要もあるため、体力面・生活面での負担は多いと言えるでしょう。

フランスでは一般医の人員不足が課題に。今後の増員が望まれる職業

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日本でも同様の課題が見られますが、フランスでも、地方での一般医の不足が問題視されています。

そのため、臨床研修の受け入れ人数に「地方枠」を採用するなど、構造的に人員配分を行う工夫もされています。

地域密着型で、住民との長期にわたる信頼関係の構築が求められるフランスの一般医。生まれ育ったコミュニティに貢献したいという人には、魅力的な仕事のひとつだと言えそうです。

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