パリの公共交通機関概要【メトロ・バス・RER・TGV】

パリは世界の中でも公共交通機関の発達した都市です。低料金で遅い時間まで移動手段が確保できるので、市内の移動は非常に便利だと言えます。

今回は、パリの公共交通機関と切符・チケットの種類などに関してご紹介します。

パリの公共交通機関は4種類

パリの主要な公共交通機関は、メトロ・バス・RER(近郊鉄道)・TGV(高速鉄道)の4種類です。このうちTGVは、主にパリと他の都市との移動に使われます。

パリ市内の移動に限れば、メトロとバスを利用することがほとんどでしょう。

パリの公共交通機関


## メトロ ![iStock-908021498](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/6UrQBSJEIWucUfh1ZP2RWX/b92bc14d98f56f6aecb1af7f13c6e87d/iStock-908021498.jpg)

パリのメトロは1〜14号線まであり、市内各所を網目のように繋いでいます。

メトロの運行時間は、平日は5時30分から25時15分まで、 金曜・土曜・祝前日は5時30分から26時15分まで
です。

乗車料金は全線共通で、1回券「Ticket t+」の料金は1.9ユーロ。その他、回数券やチャージ式のカードでも乗車可能です。

通勤時間帯であれば約3分、それ以外の時間帯では約6〜10分に1本程度の間隔で運行しています。

路線図や乗り換え案内は、公式ウェブサイトで確認できます。


## バス ![iStock-470436266](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/77UwZ8YC0kYfExIGnyzWs6/bffcd4cc7247ecc9059ff348f9a9b67c/iStock-470436266.jpg)

パリ交通公団(RATP)が運行する市営バスの路線は66を数え、メトロが通っていないエリアもカバーしています。

運行時間は路線によって異なるものの、おおむね5時から24時まで。約10〜15分程度の間隔で運行していますが、交通渋滞によって遅れる場合も多くあります。

パリのバスには時刻表がなく、各バス停の電光表示板に、到着予定のバスが表示されます。

乗車料金は一律1.9ユーロ、メトロと同様の切符が使用できます。車内アナウンスがないので、降車駅に近づいたら自分でベルを押して運転手に知らせる必要があります。

路線図や乗り換え案内は、公式ウェブサイトで確認することができます。


## RER ![iStock-1090193826](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/2QyEn1FAsXPCyKtBcbcyLm/a1137779ba7b908874d9b54de6e4a0e6/iStock-1090193826.jpg)

RERは、パリ市内と郊外エリアを繋ぐ近郊鉄道です。停車駅が少ないため、郊外から中心部へ速くアクセスしたい時に便利。

A線、B線、C線、D線、E線の5路線があり、運行時間は路線によって異なるものの、おおむね5時15分から深夜までです。

料金は中心部からの距離に基づく「ゾーン制」を採用しており、パリ市内の主要な観光地はほぼゾーン1の中に位置しています。

パリ市内にあたるゾーン1とゾーン2では、メトロやバスと同様の「Ticket t+」が利用可能。ゾーン3より先に関しては、目的地の駅によって乗車料金が異なります。

路線図や乗り換え案内は、公式サイトをご参照ください。


## TGV ![iStock-1145423714](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/5B5Oce5MDMcXJez6RetVPU/3854635f056babc630ecd622f95973bf/iStock-1145423714.jpg)

TGVは、フランスの主要都市とドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、ルクセンブルグを結ぶ高速鉄道で、日本人からは「フランス新幹線」とも呼ばれています。

車両には1等車と2等車があり、全席予約制。飲み物や軽食を販売するバー車両があるほか、一部の路線の1等車両では、座席での食事も可能です。

料金は、行き先・乗客の年齢・車両の等級・乗車する日などによって異なります。

乗車券はフランス国鉄(SNCF)のサイトで購入可能。また、電話や駅窓口でも購入できます。

路線図はこちらのリンクをご参照ください。


# チケットの種類

パリの交通機関のチケットには、複数の種類があります。

それぞれの内容と料金、利用ルールについてご説明します。


## Ticket t+ ![スクリーンショット 2020-07-27 14.53.00](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/3ZXHNfcjV1ojKjlgEHK0BI/e1b374f353ab72eab82086eadff40462/____________________________2020-07-27_14.53.00.png)

もっともスタンダードな普通切符。1回券(Billet)は1枚1.9ユーロ、メトロ・バス・トラム・RERのゾーン1で利用可能です。

10枚つづりの回数券(Carnet)は、大人14,9ユーロ・子供7,45ユーロ。いずれも、改札で刻印してから90分間は、何度でも乗り換えが可能です。

未使用の切符には有効期限がありませんので、使い切れなかった場合は、次回パリを訪れる際に使うこともできます。


## Mobilis ![スクリーンショット 2020-07-27 14.54.33](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/1x9yAi3Icix4Y4s0Y9t5SP/ca62c8447e92253bd13d4ff5a95bfc9c/____________________________2020-07-27_14.54.33.png)

メトロ・バス・トラム・RERに1日乗り放題の切符で、購入した日の23時59分まで有効。「購入した時から24時間有効」ではないので、要注意です。

料金はゾーンごとに設定されています。

ZONE 1-2 7,5€
ZONE 1-3 10€
ZONE 1-4 12,4€
ZONE 1-5 17,8€

1日で普通切符を6枚以上使う見込みがある場合は、元が取れる計算です。


## Navigo ![スクリーンショット 2020-07-27 14.55.32](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/5TitwyPURG74irKRxhRIrD/6de984b68825ea35b988a8b33d983a29/____________________________2020-07-27_14.55.32.png)

日本でいうパスモやスイカ、イコカのような、ICカード式のパス。

最大1週間有効な「Navigo Semaine」は、月曜から木曜の間に限って購入でき、購入した週の間はゾーン1〜5すべてのエリアが乗り放題になります。

「購入した日から1週間有効」ではないので、注意しましょう。

本体22.8ユーロ、発行手数料5ユーロ。使用する際は、カードに顔写真を貼り、名前を明記する必要があります。

通常料金が10ユーロを超えるシャルルドゴール空港〜パリ市内間の移動にも使えるため、到着する曜日によってはもっともお得なチケットだと言えます。


## Paris Visite ![スクリーンショット 2020-07-27 14.56.45](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/1sA02CZftMjkECYNzhvNjE/bd4b175c72d6849fb3a95e21153f9276/____________________________2020-07-27_14.56.45.png)

パリ市内の公共交通機関が、指定の日数乗り放題になるフリーパス。期限最終日の24時まで利用可能です。

また、エッフェル塔や凱旋門など、主要観光スポットの入場料が割引になる特典付き。

料金体系は、「ゾーン1〜3」あるいは「ゾーン1〜5」の2パターン。それぞれ、日数が多くなるほど高額になります。

①ゾーン ZONE 1-3
1日間券 12€(子供 6€)
2日間券 19,5€(子供 9,75€)
3日間券 26,65€ (子供 13,3€)
5日間券 38,35€ (子供 19,15€)

②ゾーン ZONE 1-5
1日間券 25,25€(子供 12,6€)
2日間券 38,35€ (子供 19,15€)
3日間券 53,75€(子供 26,85€)
5日間券 65,8€ (子供 32,9€)

割引特典がつくぶんお得に感じますが、価格設定が高く、元を取るほど乗車できる可能性は低めです。


# メトロやRERはストライキが多い?治安は? ![iStock-1250634556](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/7zPVMmR1DwuuNI18AGdKhi/19bfb1f2f3d09482cff22ddb5d0d3cea/iStock-1250634556.jpg)

パリの公共交通機関といえば、「ストライキが多い」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

実際に観光や移住で訪れた際に、メトロやバスの運行状況を確認するには、アプリの利用がおすすめです。

「Citymapper」は、最新の運行状況を掲載するほか、迂回路の検索も可能。パリ交通公団(RATP)の公式アプリも、各路線の運行状況をリアルタイムで更新しています。

また、観光客としては、駅や車内での治安が気になりますよね。残念ながら、スリや置き引きといった軽犯罪は、日常的に起こっているのが現実です。

特に、空港と市内を結ぶRERや、メトロの車内では、集団でターゲットを取り囲むなど、力づくの窃盗行為も起きています。

近づいてくる人がいたら距離を取る、バッグは常に体の前にまわす、携帯電話の操作などに集中して周囲への注意をおこたることがないようにするなど、普段よりも危機管理意識を高めておくようにしましょう。


# パリの公共交通機関は安くて便利!治安には要注意 ![iStock-623484008](//images.ctfassets.net/zbyipzusy20r/k4elWyAOPN9XNZQ6sE7CE/d10f2c670fcca8e4298b9ca231009ffa/iStock-623484008.jpg)

パリの公共交通機関の基本情報をご紹介しました。

パリのバスやメトロなどは、ネットワークも運行頻度も充実しており、乗車料金も安いので、日常生活の大きな助けになります。

治安が悪い点はマイナスポイントですが、気を抜かず自身の安全を確保する習慣をつけたいですね。

最新の情報を知りたい場合は、パリ交通公団(RATP)のウェブサイトを確認するのがもっとも効率的です。
公共交通機関を上手に利用して、パリの生活を満喫してくださいね。

この記事をシェアする